生前整理の正しいやり方と手順 ‐ メリットや注意点を徹底解説!

生前整理の正しいやり方と手順 ‐ メリットや注意点を徹底解説

近年、定着してきた「終活」という言葉。その一環として行われているのが身の回りの整理をする「生前整理」です。生前整理は「生きているうちに死のことを考えるのは嫌だ」という方もいます。

しかし、適切なタイミングで正しい生前整理を行うことで、大切な家族の負担を減らすことも可能になります。

また生前整理は家族だけではなく、自分の残りの人生を充実させる効果もあります。生前整理の正しいやり方や手順、メリットや注意点を学ぶことで、生前整理に対する意識も変わります。ここでは生前整理の基本をさまざまな角度から徹底解説します。 

生前整理とは?

ここ数年で「生前整理」という言葉はかなり認知されてきました。しかし、中には「生前整理って何?」という方がいるのも事実です。生前整理とは自分が生きているうちに物や財産などを整理しておくことを指します。

私たち人間は野性の動物と違って、死後お葬式やお墓問題などさまざまなことを行う必要があります。

詳細は後述しますが、現在身の回りにある物や財産は死後、家族などによって管理や処分が行われます。「自分の死後、相続問題や自宅問題などをスムーズに解決できる」。これが生前整理の大きな目的となります。

生前整理と遺品整理の違い

生前整理と似たような言葉に遺品整理があります。どちらも「整理」という言葉がついているため、何かを整理したり、片付けをすることは想像できます。しかし、この2つの明確な違いがわからないという方もいます。

まず生前整理とは自分が生きているうちに自分の物や財産を整理しておくことです。存命中に物や財産をある程度管理しておくことで、自分の死後、家族の負担を軽くする効果があります。

一方の遺品整理とは亡くなった方の遺品を必要な物と不要な物に分別し、不要な物は処分していくことです。遺品とは「亡くなった人が遺した物」「故人のゆかりの品物」という意味がありますから、生きている人が所有する物に使うことはできません。

また遺品整理はすでに持ち主が亡くなっているため、整理を行うのは残された家族が行うことになります。生前整理は「自分または家族が」「家族のために行う」ことになりますが、遺品整理は「残された家族が」「家族のために行う」ことになります。

故人の物や財産を整理し、スッキリした気分を作ると同時に財産を家族で分け合うのが遺品整理の目的です。

生前整理と遺品整理の違いがいまいち把握できないという方は「生前整理は所有者が生きているうちに物や財産の整理を行う」「遺品整理は所有者が亡くなったあとに物や財産の整理を行う」と覚えておきましょう。

生前整理をする8つのメリットとは?

生前整理と聞くと「生きているうちに整理や片付けをするのは抵抗がある」という方もいます。しかし、生前整理は本人にとっても周囲の家族にとっても大きなメリットがあります。ここでは生前整理を行うメリットを8つまとめましたので解説します。

  1. 家族の負担が減る
  2. 残された人生でやりたいことが見えてくる
  3. 相続関係を整理することができる
  4. 他人に見られたくない物を事前に処分できる
  5. 認知症のリスク軽減に効果がある
  6. 安全かつ健康的な生活を送ることができる
  7. 両親の生前整理開始のきっかけにもなる
  8. 片付けの費用が節約できる可能性が高い

1. 家族の負担が減る

存命中にまったく自分の所有物や財産を整理しなかった場合、死後は家族の負担が非常に大きくなります。特に物が多い方だと遺品の整理や片付け、処分などで多くの時間を要することになります。

近年は実家から遠く離れた場所に住む世帯も多い傾向にあります。このような世帯の場合、遺品整理のために何回も長距離移動をしなければならない可能性も出てきます。

事前に生前整理において不要な物を処分しておくことで、残された家族が行う遺品整理の時間を大幅に短縮できます。

また物が多い故人の遺品整理は、知識に乏しい家族だけで処理するのが難しく、遺品整理の専門業者に依頼する方もいます。反対に物や財産の整理が行なわれている故人の場合は、遺品整理の業者に依頼しなくとも家族だけで無事に完了することもあります。

2. 残された人生でやりたいことが見えてくる

生前整理は主に残された家族のために行うのが目的ですが、それだけではありません。生前整理はこれまでに築いてきた人間関係や残りの人生プランを見つめ直すのにも効果的です。

身の回りを整理することで「何が自分にとって大切なのか?」という点を再確認することができます。生前整理は長年保管していた所有物に触れることができる貴重な時間でもあります。

このように自分の所有物にひとつずつ触れることで、今までの人生を振り返るようになります。そうすると「残された時間の中で何をやるべきか?」「残りの人生をどう過ごしたいか?」という疑問も解消できるようになります。

生前整理で懐かしい物に触れることで「残りの人生は○○を楽しむ」など、新たな人生プランを設計できたという方は意外と多いです。現在、人生において楽しいことや目標にしていることがないという方は、生前整理をひとつのきっかけにするのもおすすめです。

3. 相続関係を整理することができる

生前整理は家族間の仲を壊す原因にもなる相続関連のトラブルを未然に防ぐ効果もあります。一般的に本人が亡くなってしまうと、相続財産の適切な処理や処分が困難となります。特に兄弟、姉妹など複数の相続人が存在する場合。

このようなケースでは遺言書が存在していれば、原則として民法で規定された法定相続分にしたがった形で遺産の相続が行われることになります。

しかし、遺産相続は仮に遺言書が存在してもスムーズに進まないことがあるため、相続トラブルが発生します。相続がスムーズに進まない原因はさまざまですが、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 相続人が誰に該当するかわからない
  • 何が相続財産に該当するかわからない
  • 相続財産の価額(評価)がわからない
  • 生前贈与、遺贈、遺留分などの問題が発生
  • 誰がどの財産をどれくらい相続するかで意見が分かれる
  • 借金や税金の問題

相続財産は現金などのように相続人同士で平等に分けやすいものであればトラブルが起きる確率は低いです。ところが土地や建物のように遺産分割が難しい財産も存在するため、相続トラブルが起きやすくなっているのです。

また、そもそも相続に関する知識が皆無という方もいます。このような場合は弁護士などの専門家に依頼するのが無難ですが、費用が大きくかかるデメリットもあります。これらのケースは本人が存命中だと比較的容易に解決できることもあります。

つまり生前整理の中で遺産相続の問題も整理しておくと、自分の死後、家族が相続で争うことなく財産を分け合える可能性が高くなるということです。「自分がいなくなったあとは、家族で仲良くやってほしい」と願う方こそ、生前整理をやっておくべきです。

4. 他人に見られたくない物を事前に処分できる

私たち人間は70年、80年生きる中でさまざまな物やサービスを購入します。その中には家族との思い出深い品物も数多くありますが、中には「○○はたとえ家族であっても見せたくない」というものもあります。

このような家族であっても見せたくない所有物は自分が生きているうちだからこそ、誰にも知られずに処分することができます。

遺品整理になると残された家族がすべての所有物をチェックしますから、誰にも見せたくないものまで見られる可能性は高くなります。生前整理で他人に見られたくない所有物を処分しておくと、その後の生活も安心して過ごすことができます。

5. 認知症のリスク軽減に効果がある

生前整理をしていると昔の物や家族写真などに触れる機会が多くなります。家族や自分の人生を振り返ることを回想法ともいいます。この回想法、実は認知機能の改善も期待できる心理療法といわれています。

回想法は1960年代にアメリカの精神科医でもあったロバート・バトラー氏が提唱したものです。過去の懐かしい思い出を振り返ったり、その思い出を誰かと語り合うことで脳が刺激されます。

その結果、精神状態を安定させる効果が期待できるようになると考えられています。回想法は当初、高齢者のうつ病治療に使われていましたが、長期間の継続によって認知機能が改善することも明らかになりました。

現在では認知症患者のリハビリテーションにも利用されています。ちなみにイギリスのエクセター大学では「思い出話は認知症の確率を12%下げる効果がある」という研究発表を行なっています。

認知症は高齢者になればなるほど発症リスクが高まります。重度の認知症を患ってから1人で生前整理を行うのは非常に難しいことです。十分な判断力があるうちに生前整理を行なうことを意識しましょう。それが将来的な認知症発症のリスク軽減にもつながります。

6. 安全かつ健康的な生活を送ることができる

物が豊かな生活が好きという方もいます。しかし、物が多すぎるのも問題です。たとえばですが大規模な震災が起きた場合、物が多い家庭はタンスなどの大きな家具が倒れてきて、下敷きになる可能性もあります。

また不要になった大型家電などがいつまでも家に放置されていると、それがジャマとなり、移動の妨げになることもあります。物に体をぶつけてしまい、大きなケガを負う可能性も決してゼロではありません。

体力がある若いうちは若干不便だと感じても、足腰がしっかりしてますから移動などは容易です。ところが高齢者になるとちょっとした移動でも困難に感じることが少なくありません。

生前整理を実施することで家の中の不要な物を処分することができるため、安全な生活が送れる可能性が高くなります。

また大規模な片付けや掃除によって家中のホコリやゴミも除去できますから、健康的な体を維持しやすくなります。その他、生前整理をすることで「自分の死後、所有物や財産はどうしよう…」という不安も解消されますから、残りの人生を楽しく送ることができます。

7. 両親の生前整理開始のきっかけにもなる

生前整理が世間に広く知れ渡ると同時に、両親が存命中の子どもが生前整理を行うことも増えてきました。これにより、両親も生前整理を始めたという方はとても多いです。

高齢者の親を見ると子どもは「お父さんとお母さん、そろそろ生前整理を始めたら?」と声をかけたくなります。しかし、親に生前整理を勧めるときは子どもたちも説得力が増すような行動を取らなければならないケースも出てきます。

生前整理に積極的ではない、生前整理という言葉を知らないといったご両親であればなおさらのことです。子どもが「今、生前整理をやっているよ」となれば、ご両親も「○○もやってることだし、うちも真剣に考えてみようか」という気持ちになりやすいです。

両親は高齢になればなるほど家の片付けや掃除が満足に行なえない状況になってきます。自身が生前整理を行うことで、両親に生前整理の正しいやり方を教えることもできます。

「将来のことを考えて両親にも簡単な整理をしておいてほしい」という希望を持つ方は「自分の生前整理→両親の生前整理」という流れを意識しておくとよいでしょう。

8. 片付けの費用が節約できる可能性が高い

生前整理はケースによって片付けの費用が節約できる可能性が高くなります。金塊や換金価値の高い物は別ですが、自分が使った物の大半は死後、誰かが使うことは少ないです(正確には使いたいと思わない)。

こうなると遺品整理のときに多くの所有物を処分する必要があります。この処分をすべて家族だけで行えれば問題はありませんが、実家との距離が離れているなどさまざまな事情によって遺品整理を実施できない家族もいます。

このようなケースでは必然的に専門業者に依頼することになるため、高額な費用が必要になります。遺品整理を専門業者に依頼した場合の費用相場は地域、部屋の広さ、作業人数、作業時間によって大きく異なりますが、3万円~60万円ほどです(1R~4LDKの場合)。

生前に本人と家族で不要な物を処分する場合、家庭ごみで出せるケースも多いです。「生きているうちに不用品を処分→遺品整理が簡単になる」というメリットが生まれるため、生前整理は費用節約の意味でも大きな効果を発揮します。

生前整理の正しいやり方・手順を解説

生前整理の基本や主なメリットを理解したところで、具体的な生前整理のやり方や手順を見ていきましょう。順番などはアレンジしても問題はありませんし、最終的に自身がやりやすいと思える方法で実施してください。

  1. 財産目録を作成
  2. インターネット上の情報整理を行う
  3. 「絶対に必要な物リスト」を作成する
  4. 不用品の処分を行う
  5. 財産の処分を行う
  6. エンディングノートの作成
  7. 遺言書の作成

【手順①】財産目録を作成

財産目録とはある時点の所有財産すべてを網羅したもので、簡単に説明すると「財産一覧表」のことです。財産目録を作成しておくことで、相続が発生したときのトラブルを未然に防ぐことができたり、税金の発生有無などが把握できるようになります。

財産目録を作成するときはプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も記載するようにしましょう。これはマイナスの財産も相続財産として継承されるためです。相続財産は主に以下のようなものがあります。

【プラスの相続財産(積極財産)】

  • 宅地・農地・建物・店舗など
  • 現金・預貯金・株券・小切手など
  • 自動車・家財・骨董品・宝石など
  • 電話加入権・慰謝料請求権など

【マイナスの相続財産(消極財産)】

  • 借金・住宅ローン・未払いの家賃など
  • 未払いの税金など
  • 買掛金・小切手など
  • 未払いの医療費など

これらお金に関わるものは重要書類とともに所在や金額を明らかにしておきましょう。財産目録を作成することによって、自身に万が一のことがあったときに家族が探す手間が省けます。

生前整理を行うときは財産目録や重要書類の整理、保管から始めるのがおすすめです。これらを先に整理しておくことで、誤って破棄してしまうことを防ぐメリットも生まれます。

【手順②】インターネット上の情報整理を行う

今はネットで買い物をしたり、サービスを利用するのが当たり前の時代です。

  • クレジットカードや電子マネー
  • ネット銀行やネット証券
  • 仮想通貨
  • FX (外国為替証拠金取引)

これらの情報をパソコンやスマートフォンで管理する方も増加傾向にあります。この整理を忘れてしまい、デジタル遺品として放置すると遺産の相続のあとでトラブルが生じる可能性があります。

具体的には「パスワードなどがわからない」などのトラブルです。そのため、ネットで管理しているお金関連の情報整理もしっかりと行なっておきましょう。

またブログやSNSなどを運用している方はこれらの情報整理も忘れないようにしてください。パスワードなどが不明なブログ、SNSのアカウントは時間の経過とともに悪用される可能性も高まります。

万が一のことがあったときに家族がデジタル遺品の整理を行える環境を整えておくことが大切です。ちなみに多くの方は「壊れているパソコンなら情報整理しなくても大丈夫」と思い込みがちですが、これは間違いです。

パソコンは起動できなくても、内部に組み込まれている記憶媒体からデータを取り出すことができます。古いパソコンや壊れているパソコンでもデータの整理は必要不可欠です。

【手順③】「絶対に必要な物リスト」を作成する

家族とともに生前整理を行う場合に注意しておきたいのが、生活に必要な物を誤って破棄してしまうことです。周囲から見れば「ただの物」と思えるものでも、本人にとっては「大切な物」ということはよくあります。

複数人で片付けや掃除を行うと、この大切な物を不用品と一緒に処分してしまう可能性があります。

そのため、生前整理の協力者がいる場合は事前に「絶対に必要な物リスト」を作成しておきましょう。作成したリストを協力者に手渡しておけば、誤って破棄してしまうリスクも低下します。

【手順④】不用品の処分を行う

財産関連や重要書類の整理、保管が完了したらその他の不用品処分の作業に移ります。不用品処分を行うときのコツは以下の2つです。

  • 家にある物を「必要」「不要」「保留」に分ける
  • 大きな物や重量のある物から処分する

先に部屋にある物すべてに「必要」「不要」「保留」の評価をつけておくと、その後の片付けがスムーズに進みます。必要な物は元の場所に戻せばよいだけですし、不要な物はゴミ袋へ捨てるだけです。

保留の評価がついた物はまとめてダンボールに納めておき、倉庫や押し入れに閉まっておくのがよいでしょう。

また生前整理を行なうときは大きな家具類や重量のある家電製品などから手をつけるのがおすすめ。体力を要する作業は年齢を重ねれば重ねるほど、自力での片付けが困難になります。

先に重たい物や場所をとる物を処分すると、部屋にスペースが生まれるため、その後の作業がはかどります。処分するのに躊躇することが多い「思い出の品」は本当に必要なものだけ残しておき、残りは捨てるようにしましょう。

ツラい気持ちになるかもしれませんが、生前整理の目的は自分の死後、家族の負担を減らすことです。処分するべきかどうかあまり長時間迷わないように淡々と作業を進めることを推奨します。

【手順⑤】財産の処分を行う

不要な宝石、貴金属、骨董品などの財産がある方はこれらも処分してしまいましょう。貴金属類などは一般的に資源ゴミに該当するため、大型金属類のように特別な費用がかかることは少ないです。

ただし地域によっては処分方法が異なる可能性もありますので、貴金属類を処分するときはお住まいの自治体に確認することをおすすめします。

また資産価値が高い貴金属類や骨董品はゴミとして処分するにはもったいない一面もあります。不要な宝石、貴金属、骨董品などの主な処分方法には以下のようなものがあります。

  • 誰かに譲る
  • インターネットオークションやフリマアプリに出品する
  • 買取店を利用する

近年はネット上のオークションやフリマアプリが活性化していますから、価値のある貴金属類や骨董品には高値がつく可能性もあります。

ただし、ネット上のオークションやフリマアプリは「本物、偽物の見分けがつかないものは手を出さない」という方も一定数存在します。

簡単に売れない可能性もあることを理解しておきましょう。インターネットの知識に乏しい方は不用品処分の王道でもある買取店を利用するのがおすすめです。

【手順⑥】エンディングノートの作成

エンディングノートとは自分に万が一のことが起きたときのために、必要な情報を書き記しておくノートのことを指します。エンディングノートに残す主な情報には以下のようなものがあります。

  • お葬式やお墓関連の情報
  • 資産の相続や形見分けの情報
  • 介護や医療などの希望
  • その他、家族に伝えたい情報

エンディングノートの内容は多岐に渡りますが、基本的には残された家族が困らないような情報を残しておくのがよいでしょう。

最近は終活の注目度上昇の影響もあり、書店などでもエンディングノートやエンディングノートの書き方をレクチャーした書籍が販売されています。また専用のエンディングノートを用意するのが難しい方は、市販されている一般的なノートでも問題はありません。

【手順⑦】遺言書の作成

最後に遺言書の作成です。遺言書を作成しておくことで「誰にどの財産を相続させるか」という点が明確になるため、後々の相続トラブル回避の効果も生まれます。民法では遺言書の作成には2つの方式を定めています。

普通方式 自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
特別方式 臨終遺言
隔絶地遺言

特別方式は一般社会から隔離された環境など、特殊な状況下に置かれている方が利用できる方式です。そのため、大多数の人は普通方式の「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の中から選択することになります。

ちなみに遺言書関連の疑問でよく聞かれるのが「遺言書とエンディングノートの違いは?」というものです。この2つの違いは「法的効力を持つか否か」です。遺言書は定められた形式で作成すれば法的効力を持ちますが、エンディングノートは法的効力を持ちません。

つまり相続トラブルが起きたときに「エンディングノートには私に財産を渡すと書いてあった」などの言い分は通用しないということです。不要なトラブルを避けるためにも、法的効力を持った遺言書を作成しておくようにしましょう。

生前整理が難しい場合は専門業者へ依頼する方法も

生前整理の基本を理解しても「自力での生前整理は体力的に難しい…」「子どもたちも遠方に住んでるから協力者がいない…」という方もいます。体力の衰えた方が1人だけで生前整理を行うと思わぬ事故やトラブルに巻き込まれる危険性もあります。

このような方たちは生前整理の専門業者に依頼する方法も検討しましょう。生前整理の専門業者スタッフは民間資格の「生前整理アドバイザー」「生前整理認定作業士」を持っていることも多く、正しい生前整理を効率的に行うことができます。

また家具や家電製品など、大型の不用品を処分するときも不用品回収業者を利用する方法があります。不用品回収業者も1人では持ち運びが困難な大型の不用品をスムーズに撤去してくれますから、体力に乏しい年配者や高齢者の方でも安心、安全な生前整理を行うことが可能になります。

生前整理の注意点

生前整理には多くのメリットがありますが、注意しておきたいポイントもあります。ここでは生前整理の注意点を2つまとめましたのでご覧ください。

時間をかけてゆっくり行うことを意識する

個人差はありますが、生前整理は物や財産の整理、処分などとにかくやることが多いです。人は作業量が多くなるとどうしても「早く終わらせなきゃ」「時間がないから適当に」という感情を持ちやすいです。

しかし、生前整理を行うときには重要書類にも触れることを意識しておかなければなりません。中身も確認せずに「必要なさそうだから捨てる」という行為をとると、実はその中に土地や建物の権利書が入っていたという事態を招く可能性もあります。

生前整理は物や財産が少ない家庭でも1ヶ月~3ヶ月ほどかかります。「今週は自分の部屋」「来週は寝室」といったように、ムリのないスケジュールを組みながら丁寧な生前整理を行うことを意識しておきましょう。

悪徳業者の存在

どの業界にも悪徳と呼びたくなるような業者が少なからず存在します。もちろん生前整理業者や不用品回収業者にも悪徳業者は存在します。具体的には以下のようなものが代表的です。

  • 生前整理に必要な許可を得ていない
  • 所在地、連絡先、会社名がはっきりしない

生前整理で出る不用品を収集するには「一般廃棄物収集」の許可が必要になります。この許可を得ずに不用品を回収する業者は不法投棄を行っている可能性もあるでしょう。ちなみに生前整理業者の中には一般廃棄物収集の許可を得ていない業者もあります。

このような業者は許可を得ている事業者と提携することで、不用品の収集や回収を行っています(この方法は違法ではない)。生前整理を専門業者に依頼するときは不用品を回収するのに必要な許可を得ているか否かを確認しておくようにしましょう。

また実際に生前整理を行う業者のスタッフが「生前整理アドバイザー」「生前整理認定作業士」の民間資格を持っていると安心して依頼することができます。生前整理を業者に依頼する方法はそれなりに費用がかかりますから、必ず信頼性のある業者に依頼しましょう。

生前整理は体力・気力があるうちから検討しよう

近年は若いうちから生前整理を検討する方も増加傾向にあります。日本は超高齢化社会の時代に突入していますから、遺品整理や相続トラブルなどの問題がこれからも増えていくでしょう。

相続によって仲が良かった家族が崩壊するケースもあります。これらのデメリットを防ぐのが生前整理の大きな役目です。また生きているうちに身の回りの整理をしておくことで、万が一のことが起きたときに家族の負担も減ります。

「大切な家族に迷惑をかけたくない」「自分が亡くなったあとも家族で仲良くやってもらいたい」と願う方は、体力や気力があるうちに生前整理を開始することを検討しておきましょう。

生前整理に関する悩みや不安がある場合は、専門業者に相談する方法もあります。生前整理によって自分と家族の将来が明るくなるように、さまざまな方法を駆使していきましょう。