生前整理は必要?やっておいたほうがいい理由

2000年代に入って終活や生前整理という言葉が広く認知されてきました。しかし、中には「生前整理をやる必要なんてあるの?」「自分が死んでから家族の誰かが考えればいいんじゃないの?」という方も一定数います。
「なぜ生前整理をやる必要があるのか?」。この疑問を解決しない限りは生前整理を積極的に行う方は増えないでしょう。今回は生前整理の必要性ややっておいたほうがいい理由などをまとめましたので徹底解説します。
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生前整理は自分のためにも家族のためにも必要
「生前整理をやる必要はあるの?」という疑問を抱えた方は多いです。結論から述べると生前整理はやっておいたほうがいいです。
生前整理を推奨する理由は後述しますが、生前整理は自分だけでなく、死後に残される家族にも大きなメリットをもたらします。私たち人間はサバンナなどで生きる野性の動物と違って、亡くなるとさまざまな手続きや整理を行う必要があります。
この手続きや整理は非常に大変なものであり、中には専門家の力を借りなければ解決できないものもあります。生前整理はこの死後の負担を軽くする効果が期待できます。また生前整理を行っておくことで、残りの人生を気持ちよく過ごすことも可能です。
つまり生前整理は自分の残りの人生のためにもなりますし、残される家族のためにもなるということです。
夏休みの宿題や課題を後半にまとめてやっていたという方も多いでしょう。このようなときは「毎日コツコツとやっておけばよかった…」と後悔します。
生前整理も夏休みの宿題、課題と同じように、溜めると後が苦しくなります。そのため現在、生前整理や終活を検討している方は早めの対策を心がけるようにしておきましょう。
生前整理をやっておいたほうがいい8つの理由

生前整理が必要なことはわかりましたが「生前整理が必要な具体的な理由は何?」と感じている方も多いでしょう。ここでは生前整理をやっておいたほうがいい理由を8つご紹介します。
- これからの人生が充実する
- 老後の安全や健康に良い影響を与える
- 残された家族の負担が大きく減る
- 現在の所有物を正確に把握することができる
- 現在の財産の状況を正確に把握することができる
- 死後の相続トラブルを避けることができる
- 家族が生前整理を始めるきっかけにもなる
- お金を得ることもできる
1. これからの人生が充実する
生前整理は残される家族の負担を軽くする効果がありますが、それと同時に自分の人生を見つめ直すきっかけにもなり、残りの人生が充実するというメリットをもたらします。生前整理を始める時期は一般的に定年前の50代、定年後の60代からといわれています。
定年前の50代は子どもの独立や結婚、定年後の60代は自身のプライベートの時間が増えるといった変化がもたらされます。
大抵の方は子どもの独立や結婚をきっかけにして夫婦の時間を大切にする、定年後は大好きな趣味を満喫するという目標や夢を持っているでしょう。しかし中には50代、60代と環境の変化が訪れる時期になっても「やりたいことが見つからない」という方もいます。
このような方こそ生前整理を検討するべきです。趣味が少ない方や好きなことがないという方は、趣味などを楽しむ方と比較すると認知症を発症する確率が高くなるという研究結果も出ています。
生前整理は家の中にあるすべての物や財産の整理を伴う作業です。そのため、昔購入した物やしばらく使っていなかった趣味の物などに自然と触れるようになります。
このような懐かしい物などに触れることで「老後はもう一度好きだった趣味を楽しもうかな」「生前整理を機に物が少ないシンプルな生活を目指そうかな」といった目標や夢ができるようになります。
生前整理は残された家族のために行うものですが、それと同時にセカンドライフの新しい目標や生き方を決めることができます。
2. 老後の安全や健康に良い影響を与える
高齢になって体力や気力が衰えてくると日々の片付けや掃除も満足に行えなくなる可能性が高くなります。その結果、処分できないゴミや日用品が溜まり、ゴミ屋敷にしてしまうという問題が増加傾向にあります。
また家の中がゴミや日用品で溢れかえってしまうと、転倒の恐れもあります。生前整理で物の整理や処分をすることで、家の中もスッキリするため、物につまずいてケガをしてしまうというリスクを下げることができます。
また物やゴミなどが散乱している家はホコリなども蓄積されやすく、健康状態にも悪影響を与える可能性が高いです。このような問題も大掛かりな物の整理や処分を実施することで改善できるようになるでしょう。
その他、生前整理を行うことで家全体の問題を把握しやすいというメリットもあります。具体的には高齢者が上り下りするには厳しい階段や、地震などによって転倒の恐れがある家具などです。
これら高齢者にとっては危険性のある問題も生前整理で把握できるようになり、階段に手すりを設置したり、家具の転倒防止の措置をとるといった対策も施せるようになります。
3. 残された家族の負担が大きく減る
生前整理は残される家族の負担を大きく減らすことができます。ではなぜ生前整理が家族の負担を減らすことにつながるのでしょうか?人が亡くなったあとには遺品整理と呼ばれる作業が発生します。
この遺品整理は故人が生前に所有していた物や財産の整理、処分を行うことです。遺品整理は各家庭で作業量が異なりますが、生前にある程度物や財産の整理をしてきた家庭は遺品整理の負担が軽減されます。
つまり残される家族の負担が軽くなるということです。物が少ない家とゴミ屋敷ではどちらが整理にかかる時間が短いかは明白です。未来のことを考えて生前にしっかりと物の整理や処分を行ってきた家庭は遺品整理も家族のみで完結できることが多いです。
一方、生前にまったく整理を行ってこなかった家庭は遺品整理で膨大な作業量が発生します。その結果、自分たちだけで解決できず、高い料金を支払って遺品整理業者に依頼してしまうことがほとんどです。
生前整理と遺品整理を業者に依頼すると、大抵の場合は生前整理のほうが安く収まる傾向にあります。残される家族の体力的負担、経済的負担を軽くするためにも生前整理は実施しておいたほうがよいでしょう。
4. 現在の所有物を正確に把握することができる
生前整理は日常生活の片付けや掃除では触れない場所の整理なども行います。これによって現在自分が所有しているすべての物を正確に把握できるというメリットが生まれます。
物が溢れすぎている家の場合、必要な物がその他の物によって埋もれてしまい、いざ使うときになっても見つからないというデメリットを引き起こします。その結果、すでに家にある物でも新しく購入してしまうという弊害を生み出します。
このような生活スタイルは経済的な面でも損をしてしまうため、お金が貯まりにくくなる原因にもなります。
生前整理によって現在自分が所有しているすべての物を把握し、整理や処分を行うことで、本当に必要な物をすぐに取り出せる位置に保管しておくことができます。
5. 現在の財産の状況を正確に把握することができる
生前整理では物だけでなく、財産の整理なども行ないます。財産関連の整理は普段の生活では手を付けることがないため、最初は戸惑うことが多いです。
しかし、現在自身が所有している全財産を正確に把握することで「老後に入ってくるお金」「相続させる財産」なども明確にすることができます。
特に土地や建物を所有し、賃貸経営などを行っているなど、本業とは別の収入がある方は給料、年金、副収入などすべての資産を正確に把握しておくことは大切です。
全財産を正確に把握しておくことで、老後のライフプランも組み立てやすくなります。また相続させる財産を把握し、家族に伝えておくことで財産をスムーズに引き継ぐことができます。
6. 死後の相続トラブルを避けることができる
仲の良い家族が一瞬にして崩壊してしまうのが相続トラブルです。相続トラブルは本来であれば遺言書やエンディングノートを作成しておけば防げる確率が高いです。
しかし、生前整理を行わずに遺言書などを作成しなかった場合「誰がどの財産を相続するか?」という疑問が出てきます。
このようなケースでは相続人が複数いる場合(例:配偶者、兄弟姉妹など)、家族で集まって話し合いをしますが、上手くまとまらないことがほとんどです。
その結果として家族同士の仲も悪くなり、最悪の場合は裁判官や調停員を第三者に挟んだ遺産分割調停などの制度を利用せざるを得なくなります。
相続トラブルは生前整理を実施し、全財産の把握や遺言書の作成を行なうことで防げる可能性が高いです。生前に大好きだった家族の仲が崩壊しないように、少しずつ生前整理を始めていくことを意識しておきましょう。
7. 家族が生前整理を始めるきっかけにもなる
ひと昔前と比べると終活や生前整理という言葉は広く知られるようになりました。しかし、中には終活や生前整理を「聞いたことがない」「聞いたことはあるがやり方がわからない」という方もいます。
このような層に対しては第三者から生前整理を勧められても納得しないケースが多いです。そこで力になれるのが家族の存在です。家族が終活や生前整理を始めることで、本人たちは生前整理がグッと身近にあるような感覚を覚えます。
そして家族が生前整理の必要性ややり方を教えてあげることで「確かに私たちもそろそろ生前整理を始めたほうがいいのかも」といった感情が湧きやすくなります。
ただし、高齢者の中には頑固な性格で、周囲から勧められても首を縦に振らない方もいます。このような場合、生前整理の話をきっかけにして家族仲が悪くなる可能性もありますので注意しておきましょう。
家族に生前整理を勧めるときのコツは決して感情的にならないことです。生前整理のメリットや必要性を細かく説明するなど、辛抱強く接していくことが大切です。
8. お金を得ることもできる
生前整理は生前整理業者や不用品回収業者に依頼するなど、何かとお金が減る作業だと思われがちです。しかし、実際のところは生前整理でお金を得ることもできます。
というのも生前整理を実施することで「売れる不用品」が出てくる可能性があるからです。具体的には洋服が好きな方であればブランド品や未使用の服、ゴルフ好きの方であれば昔使っていたクラブやゴルフ用品などです。
このように過去の人生において購入してきた物は場合によっては高値で売れる可能性もあります。最近はインターネット上のオークションやフリーマーケットも賑やかさを増していますし、地域にある買取専門店に足を運ぶこともできます。
また買取専門店が近所にないという方も、現在は出張買取といって自宅まで査定に来てもらうこともできます。そのため、高価な不用品を多く所有している方は不用品回収業者ではなく、買取や販売の方法を選択するのもおすすめです。
ただし、たとえ価値がある物でも状態によっては買取不可であったり、オークションやフリマアプリに出品してもなかなか売れないという可能性もあります。すぐに売れない物、買取不可と判断された物に関しては不用品回収業者に依頼することを推奨します。
生前整理の必要性を知ることはとても大切

生前整理の必要性ややる理由を知っておくことはとても大切です。なぜなら生前整理をやる理由を知らないと「必要性がないならやらなくてもいい」と感じてしまうからです。
これはどんな物事でもそうですが、行動する必要性などを理解しないと人はなかなか動こうとしません。生前整理であれば「老後の人生を楽しくするため」「残される家族の負担を軽くするため」といった理由があります。
生前整理の必要性を知ったときに初めて「生前整理って大事なんだな」という気持ちになる方も多いです。
生前整理の必要性は理解したけどやり方がわからない場合は、生前整理業者などの専門家に相談する方法もありますので検討してみましょう。












