生前整理

生前整理はいつから始めるべき?年齢やタイミング

生前整理はいつから始めるべき?年齢やタイミング

自分の老後を考えるときに、ふと疑問に思うのが「生前整理はいつから始めるのが理想なの?」ということです。たしかに生前整理を始めるのに適した年齢やタイミングを知らない方は多いです。

生前整理は自分の死後、残された家族の負担を減らす効果があるだけに、適切なタイミングで行っておきたいものです。今回は生前整理を始める時期について徹底解説します。

生前整理を始める年齢

まず、生前整理を始める年齢やタイミングですが、正解というのはありません。つまり生前整理は何歳から始めてもよいということです。

過去にある企業が終活に関するアンケート調査をしたところ、70代から生前整理を始めるという回答が最も多く、次いで60代、50代という回答が得られました。生前整理の主な目的は自分がいなくなったあとの遺品整理などで、家族の負担を軽くしてあげることです。

また生前整理には家族だけではなく、自分の残りの人生を豊かにする効果があります。物や情報の整理をしておくことで、自分の死後を考えなくて済むため、精神的にも安定した毎日を過ごすことができます。

厚生労働省が毎年発表する「簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳です(※平成29年簡易生命表による発表)。生前整理は自分が亡くなってから行なうことはできません。

そのため、これらの平均寿命調査結果などを参考にしながら、生前整理を始める時期を決めるのもよいでしょう。ただし、平均寿命の調査結果などはあくまでも平均値であり、ひとつの目安に過ぎません。

当然のことながら60代で亡くなる方もいれば、100歳近くまで元気に過ごされる方もいます。「自分はまだ60代だから生前整理はもう少し先だ」と言っていた方が、翌日に不慮の事故などで命を落とす可能性もゼロではないのです。

こうなると残された家族の遺品整理や相続手続きなどの負担が非常に大きくなり、最悪の場合は相続トラブルに発展する可能性があります。

また私たち人間は年齢を重ねれば重ねるほど、体が思うように動かなくなります。生前整理を始めるタイミングが遅くなると、体の自由が利かず、満足な生前整理を行なえなくなる可能性も出てきます。

このような理由から生前整理を始めるタイミングは「少し早いかな?」と思えるぐらいが、ちょうどよいといえます。

生前整理は「変化」があったタイミングで始めるのもおすすめ

生前整理は「変化」があったタイミングで始めるのもおすすめ

生前整理を始める時期を年齢で決める方は多いです。しかし、自分が設定した年齢まで生きている保証はどこにもありません。そこでおすすめしたいのが人生に何かしらの変化があったタイミングで生前整理を始めることです。

私たちは何十年と生きている間に、さまざまな環境の変化、人間関係の変化を経験します。これらの変化はときに「自分もそろそろ先を考える必要がある」という感情を呼び起こします。具体的な人生の変化には以下のようなものがあります。ひとつずつ解説していきましょう。

配偶者が亡くなったとき

経済産業省が行った調査において「エンディングノート作成のきっかけ」という質問がありました。この質問からは複数の回答が得られましたが、最も多かったのは「家族の死去や病気、それに伴う相続」が約40%でした。
【参考】経済産業省「安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた調査研究事業」

生きている人は「死」を一度も経験していないため、実感が湧きづらいです。しかし、何十年も同じ屋根の下で暮らしてきた家族の死に直面すると、自然と「自分もそろそろ将来のことを考えなくては」という感情が一気に湧いてくることが多いです。

大切な家族の死に直面すると葬儀、お墓、遺品整理、相続など、片付けなければならない問題が数多く発生します。

これらの作業を行っていると「家族の死は寂しさと同時に大変」という気持ちも出てきます。その結果「自分のときは家族の負担を軽くしてあげよう」という気持ちにもなり、生前整理を始める方が多いようです。

定年したとき

定年をきっかけにして生前整理を始める方も非常に多いです。定年後というのは家にいる時間も長くなり、時間的余裕も生まれてきます。そのため、時間をかけた丁寧な生前整理を行ないやすい時期といえます。

生前整理は日常生活で行う片付けや掃除とは違い、財産や重要書類の整理も行う必要があります。このような重要なものを整理するときは、時間をかけてゆっくり行ったほうが失敗を防げる確率も高まります。

物や財産の整理をしておくことで、家の中もスッキリし、気持ちのよいセカンドライフを過ごすことができるでしょう。

子どもが成人したとき

親世代から見ると子どもの成人も、人生において大きな変化といえます。子どもは高校、大学卒業後に仕事の関係で実家を離れたり、1人暮らしを始めることも少なくありません。そうすると今まで子どもに使っていた時間を自分の自由な時間に使うことができます。

また子どもの教育にかかっていた費用も抑えられるため、経済的にもゆとりが生まれてきます。経済的に余裕が生まれることで、生前整理にかかる費用(専門業者への依頼など)も工面しやすくなります。

子どもが結婚したとき

子どもが成人したときと似ていますが、我が子の結婚も生前整理を始めるきっかけとして知られています。子どもが結婚をするときには親の年齢が40代後半~60代ということも少なくありません。これは生前整理を始める一般的なタイミングにちょうど合致します。

また近年は子どもが実家を離れて独立するケースが非常に多いですが、中には結婚を機に親と同居(二世帯同居)する家庭もあるでしょう。このような場合は現在暮らしている家を手放すことも予想されますから、引越しの準備も兼ねて生前整理を行なうことができます。

以前より掃除や洗濯ができていないと感じるとき

人は体力が衰えてくると、今まで簡単にできていたことが難しく感じるようになります。日常生活の中では掃除や洗濯などがあります。

若いころは掃除や洗濯も難なくこなしていたのに、ここ最近はちょっとした家事でも疲れを感じるという方は、生前整理を検討する時期に入っているかもしれません。以前より掃除や洗濯が雑になったというのは、体力が衰えてきている証拠です。

この状態を放置しておくと、いずれ体が思うように動かないという状況も招きます。こうなると生前整理を行うのも難しくなってきます。「ちょっと体力落ちてきたかな」と感じた時点で、生前整理を検討するようにしましょう。

以前より外出の機会が減ったと感じるとき

若いころは子どもと一緒に外に出かけるのが大好きだった方も、年齢を重ねるとある時期を境に外出の機会が減るようになります。これは全員がそうではありませんが、気力が衰え始めている可能性があります。

人は気力が衰えてくると、さまざまな物事に対して億劫になる傾向があります。つまり生前整理の片付け、整理、掃除なども思うように進まない可能性が高くなるということです。

こうなると家族の負担も大きくなりますし、最悪の場合は生前整理をせずに死を迎える可能性もあるでしょう。

生前整理を行わなかった人は遺品整理などで大きな費用がかかる可能性が高いです(処分する物や情報が多いため、専門業者の料金も高くなりがち)。ちょっとした気力の衰えを感じたら、生前整理を始める時期に差し掛かっているかもしれません。

自分の子どもに頼るようになったとき

買い物に出かけたときや重たい物を持つときに、自分の子どもに頼る頻度が増えてきた方も生前整理を検討したほうがよいでしょう。

子どもに迷惑をかけたくないという素晴らしい親でも、高齢になるとどうしても子どもに頼らなければならないケースが増えてきます。これは体力や気力の低下が大きく関係していますから、まったく動けなくなる前に生前整理を行うことをおすすめします。

転倒などが増えたとき

高齢になればなるほど足元がふらついたり、おぼつかなくなります。その結果、転倒の回数も増えることになります。これは足腰の筋力低下や基本的な体力低下を意味しますから、早めの生前整理を検討するのが好ましいです。

また転倒の原因は何も体力の低下だけではありません。家にある物につまずいて転倒することもあります。このような転倒は家の中に物があふれすぎていることも考えられます。

一度、生前整理の目的ではなく、単に家の中をキレイにするという目的で片付けや掃除を行ってみてはいかがでしょうか。片付けや掃除をすると家の中も広くなり気持ちよさを感じることができます。

この結果「生前整理をすればもっと快適な生活を送ることができるのでは?」と考えるようになり、生前整理にも積極的に取り組めるようになります。

30代、40代の若いうちから生前整理を始めるのはあり?なし?

30代、40代の若いうちから生前整理を始めるのはあり?なし?

生前整理は一般的に50代から少しずつ意識し始め、60代や70代になってから本格的に開始する方が多いです。しかし、終活という言葉が注目を集める昨今は30代や40代といったバリバリの現役世代も生前整理に興味を持ち始めています。

そしてこれら若い年代の方からよく挙がる疑問は「生前整理は僕らのような現役世代から始めても大丈夫なの?」というものです。この疑問に対する答えですが「全然問題はない」ということです。
私たち日本人の平均寿命は80歳前半から後半ですが、そもそも全員が平均寿命まで生きられるわけではありません。現役世代の方の中には大きな持病を抱えており、平均寿命まで生きることが難しい方もいます。

また、予期せぬ事故などによって、小さな子どもや奥さんを残してこの世を去ってしまう方もいます。

このような境遇に陥ったとき、残された家族が行うことは非常に多く、場合によっては引越しをしなければならないこともあります(住宅ローンの支払いが難しくなるなど)。特に物や財産が多い家族は自分たちだけで整理、処分するのは非常に困難です。

事前に生前整理をしておくことで、万が一の事態が起きたときに家族は冷静に対処することが可能になります。これが30代や40代の現役世代にも生前整理をおすすめする理由です。

近年はミニマリストといって持ち物を必要最低限まで減らし、物に縛られない生き方を目指す方も増加傾向にあります。「若いうちから生前整理を行うのはちょっと…」という方は、ミニマリストを目指してみてはいかがでしょうか。

生前整理とミニマリストの目的は異なりますが、どちらも「必要最低限の物だけで暮らす」ということには変わりありません。物や情報が必要最低限に抑えられていれば、万が一の事態が起きたときにも家族の負担は大きく減ります。

生前整理を始める時期は自分で決めることが大切

今回は生前整理を始める年齢やタイミングを解説しました。一般的に生前整理は50代、60代、70代になってから行なう方が多いです。

そのため「自分も60代になってから始めるか」「私は50代のうちから」といったように、年齢で生前整理開始の時期を決める方は多いです。しかし、年齢はあくまでもひとつの目安に過ぎません。

それよりも大切なのは自分に合ったタイミングで生前整理を始めることです。具体的には「最近、体力が落ちてきたから」「子どもも手がかからなくなったから」などが挙げられます。

人に合わせた生前整理は自分を苦しめる可能性もあります(仕事が忙しいのにムリに生前整理を始めるなど)。

自分にとって「生前整理を始めるのは今しかない」という時期をしっかり見極めていきましょう。生前整理に関する悩みや不安がある場合は、専門業者へ相談することも検討してみてください。