生前整理することリスト – やるべき項目をチェックしよう

生前整理を行う際にいきなり作業に取り掛かろうとする方は多いです。しかし、このような生前整理のやり方は失敗を招く可能性があります。具体的には生前整理が終わったあとに「○○の片付けをしてなかった!」「○○の整理を忘れた!」などです。
このような失敗は自分がいなくなったあと、家族にも迷惑がかかる可能性があります。そのため、生前整理を行うときは事前準備が大切です。ここでは生前整理における「することリスト」の重要性と「やるべき項目」を解説します。
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生前整理はやることが多い
「家族のため、そして自分のために生前整理を始めよう」という方も増えてきました。しかし、この生前整理ですがとにかくやることが多いです。生前整理は基本的に家にあるものすべてを整理します。
そうしないと自分の死後、家族が処分に困る物が出てきたり、相続手続きで頭を悩ます問題が起きたりします。
また生前整理が未完成な状態、もしくはまったく進んでいない状態で亡くなると、遺品整理が非常に大変になります。一般的に遺品整理は物などが多ければ多いほど、手間や時間がかかります。
この結果、家族だけでは手に負えず遺品整理業者に依頼をするケースもあります。一般的に遺品整理を業者に依頼するのは、生前整理より高額な料金になるといわれています。
これが「生きている間に物や資産の整理をしておこう」といわれる理由でもあります。生前整理で行うべきことをすべて把握し、適切な対処を施していきましょう。
生前整理を実施する前に「することリスト」を作成しよう

本人も家族も「満足」といえるような生前整理にするには、事前に「することリスト」を作成しておくことです。このリストには生前整理でやるべきこと、行うべきことすべてを書いておきます。
そして実際の生前整理ではこのリストをチェックしながら進めていくことで、漏れがない整理が可能となります。
それでは、やるべき項目の大枠をひとつずつ見ていきましょう。
- 物の整理
- 不用品を処分
- お金の整理
- 土地や家屋の不動産整理
- デジタル整理
- お葬式やお墓の準備
- エンディングノート作成
- 遺言書の作成
1. 物の整理
生前整理においてやるべきことの代表格ともいえるのが物の整理です。長年暮らしてきた家の中にはおそらく多くの物が置かれていることでしょう。
そしてこの中には「数十年前に購入して、現在では使われていない物」「新しく購入したもののまったく使われなかった物」などが数多くあると予想されます。これら物の整理から進めることで、家の中のスペースが広くなるため、その後の作業が非常にはかどりやすくなります。
所有物の整理を進めるときの基本は「必要な物」「不要な物」に分けることです。事前に必要、不要で仕分けをしておき、その後必要な物は適切な場所へ保管します。
必要のない物は主に「不用品」と「不要品」の2種類に分類されます。「不用品」は壊れていたりして品物にまったく価値がないこと。「不要品」は自分にとっては必要のない物だけど、第三者からすると価値がある物です。
前者の不用品は他人も欲しがることはありませんので、処分します。後者の不要品は物にもよりますが、リサイクルショップやオークション、フリマアプリで売れる可能性があります。
2. 不用品を処分
物の整理をしたときに出た不用品の処分も大事な作業です。不用品を処分できれば家の中も非常にすっきりしますので、適切な方法で対処していきましょう。不用品は主に家具、家電製品、布団、ベッドなど大型の物が多いです。
これらの大型不用品は自治体で回収してもらうこともできます。しかし、地域や自治体によっては回収を行ってくれない種類の不用品も存在します。具体的には以下のようなものです。
- 家電リサイクル法の対象となる品目
- パソコンリサイクル法の対象となる品目
- 適正処理困難物とみなされる品目
- 処理運搬が難しい物
これらに該当する不用品は自治体で回収できない可能性があるため、自分で処理しなければならない可能性が出てきます。自分で不用品を処分できない環境にある家庭(車がない、人手が足りないなど)は、処分方法に関する悩みを抱えがちです。
そのため、このようなケースに該当する場合は、不用品回収業者に依頼することも考えておきましょう。
不用品回収業者の場合は、家の中にあるほとんどの物が回収可能ですので「○○は回収してくれるかな?」「○○は引き取ってもらえるかな?」といった不安や心配をする必要はありません。
3. お金の整理
生前整理と日常生活で行う片付けや掃除の違いは「お金の整理が発生するか否か」です。生前整理は通常の片付けや掃除と違って、お金の整理が発生します。
これは自分の死後、家族が財産関連や相続関連の手続きで困らないようにするため、そして財産の分け前などで揉め事を起こさないようにするために実施します。生前整理で行うお金の整理には、一般的に以下のようなものがあります。
- 預貯金
- クレジットカード
- 不動産
- 生命保険や損害保険
- 株式や債券
- 自動車
- 美術品や骨董品
- 家具
- 借金や未納の税金
意外に思うかもしれませんが、生前整理では借金や未納の税金などマイナスの財産整理も行う必要があります。相続の方法は主に以下の3種類があります。
- 単純承認
- 限定承認
- 相続放棄
単純承認とはプラス、マイナスに関わらずすべての財産を相続することです。限定承認はマイナスの財産がプラスの財産を上回る可能性がある場合に、プラスの範囲内でマイナス分の財産を相続する方法です。
最後の相続放棄は財産を一切相続しないことを意味します。マイナスの財産が多い場合には、残された家族の負担が大きくなるため、法的な手続きを経て相続放棄の意思表示を示すことができます。
現在の資産状況にもよりますが、残された家族に経済面で負担をかけさせたくない場合は相続方法も決めておくとよいでしょう。財産の種類が多い場合、頭の中で整理するのは困難ですから全財産の情報を記した「財産目録」を作成しておくことを強くおすすめします。
4. 土地や家屋の不動産整理
子どもが実家の生前整理を行なう際に考えておきたいのが土地や家屋の不動産整理です。近年は核家族化(夫婦や親子だけで構成される家族)が進み、実家の土地や建物を受け継ぐ世帯も少なくなってきています。
しかし、中には両親の死後、土地や建物を引き継ぐ方もおられるでしょう。このような方は不動産に関する基本もある程度知っておく必要があります。
一般的に土地や建物などの不動産を相続するには所有者を変更するために、法務局に届出(登記)を行なう必要があります。
実家が遠方にあり、将来的に住む気がないという家庭では、不動産を売却するのも選択肢のひとつです。もちろん築年数が長い実家の場合は売却を諦めて、取り壊しの選択をする方もいます。
どのような方法であれ、不動産の整理には大きなお金が発生するため、事前に親子で話し合っておくのもよいでしょう。ちなみに不動産整理を行う場合は一般の方では知識が乏しいため、必ず専門業者に相談することをおすすめします。
5. デジタル整理
ひと昔前までの生前整理ではなかったやるべきことのひとつがデジタル整理です。現代はパソコンやスマホの爆発的普及によってインターネットが生活に欠かすことができなくなりました。
それに伴いブログ、ホームページ、SNSなどを開設する方も多くなっています。また近年は株やFXの取引き、銀行口座の開設や預貯金、クレジットカード情報もネットで管理する方が少なくありません。
これらのデジタルデータも整理しておかないと、自分の死後スパイウェアやスキミングなどによって個人情報を悪用されてしまう可能性が高まります。
その他、ネット銀行などは従来の紙ベースの預金通帳が見つからないことも多々あるため、ネット銀行に多額の預貯金があるにもかかわらず、遺族がそれを知らないまま遺産分割協議を行ってしまう可能性もあります。
このような理由から財産や大切なデータをパソコン、スマホで管理している方は必ずデジタル整理も行うようにしましょう。
6. お葬式やお墓の準備
生前整理では家族に金銭的負担をかけさせないために、お葬式やお墓の準備をしておくこともあります。お葬式の相場は宗教、宗派、地域の慣習などにより異なりますが、一般的に100万円~200万円といわれています。
この相場は遺族や親族以外の方も参列できる一般葬であり、近親者のみで行う家族葬の場合は50万円~100万円ほどに費用を抑えることができます。お墓にかかる費用も地域、お墓の種類によって異なりますが、概ね150万円~200万円が相場といわれています。
もちろんこれは墓石のみの価格であり、戒名をつける場合や墓石へ名前を彫り入れる際にはさらに費用がかかります。
また使用する霊園によってはお墓の管理費や使用料も発生するでしょう。このようにお墓ひとつ設置するのも高額な費用がかかるため、近年は納骨堂を利用する方も増えています。
納骨堂とは骨壺に入れた遺骨を安置しておく建物のことであり、年会費などはかかるものの通常のお墓よりも費用が安く済むのが特徴です。
納骨堂の費用相場は約10万円~50万円となっています。経済的に一般的なお葬式やお墓の準備が難しい場合は、これらのサービスを利用することも検討しておきましょう。
7. エンディングノート作成
物や財産の整理、お葬式やお墓の準備などが終了したら、エンディングノートの作成に移ります。エンディングノートとは終活や生前整理を行っている方が、人生の終末期に迎える死に備えて本人の希望などを記しておくノートのことを指します。
近年は終活の注目度が上昇していることによって書店などでも、エンディングノートが販売されています。エンディングノートに書く内容は基本的に自由です。
- 物や財産の保管場所、処分方法など
- SNS、ブログなどのアカウント情報やパスワード情報
- ネット銀行や証券での取引きに必要なパスワード情報
- 埋葬場所の希望
- お墓を立てる場所
- 家族への希望や感謝の言葉
エンディングノートは遺言書のように法的効力を持つものではないため、基本的には何を書いても問題はありません。必要な情報すべてを記しておけば、自分が亡くなったあと、家族が冷静に対処することができます。
8. 遺言書の作成
最後に遺言書の作成です。遺言書の種類には以下のようなものがあります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
1点目の自筆証書遺言とは遺言者(本人)が自著押印し、保管しておくタイプの遺言書です。この方法は手軽に作成できるというメリットがありますが、弁護士、司法書士、行政書士といった専門家が目を通すわけではないため、要件を満たしていなかった場合は法的に無効になる可能性もあります。作成した遺言書に不安を抱える場合は、専門家に相談することをおすすめします。
2点目の公正証書遺言とは公証役場で遺言者、証人2名、公証人が立ち会って作成するタイプの遺言書です。費用や手間はかかりますが、偽造がされにくいというメリットがあるため、信憑性が高いのが特徴です。もちろん専門家のチェックも入るため、法的にも問題のない遺言書が作成できます。
3点目の秘密証書遺言は遺言書を作成、自著押印の上封をし、証人2人、公証人1人の確認を得るタイプです。このタイプはあまり使われることがありませんが、秘密が守られるというメリットがあります。
ただし、自筆証書遺言と同様、専門家のチェックが入らないため、作成時には十分な注意を払う必要があります。
「することリスト」を作成して100点満点の生前整理を

今回は生前整理における「することリスト」の重要性と「やるべき項目」を解説しました。生前整理は物の整理から始まり、お金、不動産、不用品の処分、お葬式やお墓の準備などとにかくやることが多いです。
そのため、生前整理が終わったつもりでも1点、2点のやり残しややり忘れが発生する可能性が高いです。この失敗を防ぐ効果があるのが「することリスト」です。
実際に整理を始める前にリストを作成しておけば、やり残しなどがなくなるため、本人も家族も満足できる完璧な生前整理を行なうことができます。100点満点の生前整理で安心、安全な老後を目指しましょう。












